救急科
当科では、「歩いて救急外来を受診」する患者さんから、「心停止、原因不明の意識障害、ショック、重症呼吸不全(新型コロナウイルス感染症を含む)、敗血症、外傷、中毒、アナフィラキシー」などで救急搬送される重症の患者さんまで、幅広く初期診療と救命治療を行います。また、血液浄化療法、人工呼吸、ECMO治療など、生命維持装置を必要とする重篤な患者さんの蘇生・集中治療を担当します。
診療科長あいさつ
遠藤 智之Dr. Tomoyuki Endo
救急科は平成28(2016)年4月に当院に新たにできた診療科です。
救急患者さんの重症度と緊急度を迅速に評価し、ときには確定診断よりも救命処置を優先し、生命を維持しながら決定的な診断と治療を行います。
また、ときには詳細な病歴聴取と丁寧な身体診察をもとに鑑別診断を進め、専門診療科の協力を得ながら診断と治療を行います。更にICUでは、生命維持装置を必要とする重症患者さんの集中治療管理も担当しています。
いかなる医療にも「チーム力」が求められますが、救命救急医療は最もチーム力を必要とする領域です。
チームにとって重要な存在は「リーダー」であり、困難な局面に面した時こそ信頼できる「リーダー」が必要です。当科が救命医療、蘇生・集中治療、そして災害医療の「リーダー」を育てる部門となるように、頑張っていきたいと思います。
診療方針と特徴
日中(8:30~17:15)は土日・祝日を含めて救急科医師が救急車を中心とした急患対応を行います。夜間(17:15~翌8:30)は、全科(麻酔科、小児科、産科、放射線科を除く)の医師が交代で救急車を含む急患対応を行っています。
休日・夜間でも、採血、心電図、超音波、レントゲン検査、CT検査、MRI検査などを実施し診断と治療を行います。
- 老若男女を問わず、軽症から重症まで地域の救急医療ニーズに応え診療します。
- 救命に必要な蘇生処置は、時期を失せず救急室で迅速に開始します。
- 他科専門医や他職種との連携と調和を図りつつ、目の前の患者さんにとって最適な救急医療を提供します。
- 人工呼吸器やECMOを要する重症呼吸・循環不全患者さんの集学的治療を担当します。
- 医学生、研修医、専攻医に対して、救急・総合診療、集中治療、災害医療を指導します。
主な対象疾患
原則的にあらゆる急病の診療を行います。ただし、ショック状態の多発外傷、広範囲熱傷に関しては診療体制が整っていないため対応できません。
診療科の実績
令和4(2022)年度は、救急医4名でコロナ禍での救急医療を実践してきました。月毎の救急車の件数は300台前後で、前年と大きな変化はありませんが、依頼件数が増加したため相対的に応需率は50~60%に低下しました。応需率の低下はあるものの、令和4(2022)年度の救急車搬入台数は3,762台で過去最高となりました。
救急科では分類困難症例の入院診療や、重症患者のICU診療を担当し、難治性心停止や呼吸不全に対するECMOを含む集学的治療を積極的に行っています。令和4(2022)年度の救急科入院患者数は352名で、うち74名がICUで治療を行い、5名にECMO治療を行いました。
令和5(2023)年現在、3次救命救急センターではないため、多発外傷、広範囲熱傷、四肢切断などの受け入れは原則的に行っていませんが、これらの傷病以外については診療できる体制が整っています。
教育内容と特徴
医学部教室名称
救急・災害医療学
研究テーマ
- 日本救急医学会院外心停止レジストリ
- 体外循環(ECMO)を用いた救急蘇生に関するシミュレーション教育の有用性
- 瞳孔計を用いた神経機能評価
教育方針
シミュレーションやオンラインレクチャーを通じて、BLS・ACLS・JATECなどの標準化された救急初期診療、蘇生診療を教育します。更に、緊急気道管理スキル、ショック初期診療、敗血症診療、ECMO診療などの、最重症患者の救命に必須の知識・スキル・マネジメントについてもシミュレーションと臨床を通して教育します。
また、実地もしくはオンラインで救急診療に関する勉強会を開催し、実際の症例の振り返りを通してエビデンスに基づいた救急診療・救急蘇生についての教育を行っています。
取得可能な資格
令和元年(2019年)12月31日まで救急科専門医指定施設に認定されていたため、新制度と並行して令和6(2024)年まで実施する現行制度試験(勤務歴審査)において令和5(2023)年以降も指定施設と同様に扱われます(=専従歴の加点1年につき5点加点)。
志をともにする医師を募集
救急センターでは、救急科医師、診療看護師、専属看護師が志を一つにして今後成長していくために、以下のCode(行動規範)をスタッフ間で共有しています。
Our Code
- We Do The Best We Can
- We Always Learn, Grow and Share Our Mind
- We Stay Positive, Supportive and Organized
救急科では、常にポジティブで、コミュニケーション能力に優れ、新しいエビデンスに敏感で、瞬時の判断力と臨床スキルを持ち、チームの一員として困難を乗りきることができる救急医を育てるべく努力します。現在は人員が不足しています。
詳細は以下のメールアドレスにお問い合わせください。
また、トップページの「当院で働きたい方」をご参照ください。
病院代表窓口(総務グループ)
E-mail:Please enable javascript