呼吸器外科
豊富な知識・経験をもとに呼吸器疾患に対する外科治療のみでなく内科的治療も提供できるオールラウンドなスタッフがそろっています。
診療科長あいさつ
田畑 俊治Dr. Toshiharu Tabata
肺がんは日本での死亡原因の第一位となりました。集学的治療を駆使して治癒を目指すのが大前提ではありますが、体力や副作用などの問題で積極的な治療が困難な患者さんも多数います。そのような様々な患者さんのニーズに応えるべく豊富な知識・経験をもとに呼吸器疾患に対する外科治療のみでなく、内科的治療も提供できるオールラウンドなスタッフをそろえ、手術療法に加え自前で進行・再発肺がんに対する薬物療法や放射線治療、緩和医療や往診など総合的診療にもあたってきました。今後もこの姿勢に変わりはありません。
さて、当大学は平成28(2016)年4月に地域医療を担う医師を育成するために設立されました。今後は自ら率先し地域医療に貢献する気概と意欲を示しつつ、これまでの経験を生かし様々な医療現場において不測の事態に対応できる知識と技術を身につけた医師の育成にも尽力したいと考えています。
診療方針と特徴
呼吸器外科全般にわたる疾患に対応可能な臨床経験ならびに手術技術を有したスタッフをそろえています。ここ数年の全身麻酔手術症例は年間350症例前後になります。常勤スタッフは7名、それ以外に初期研修医・後期研修医も加わり日々知識・技術の研鑚をはかっております。
診療方針は患者本位の医療の提供です。特に肺癌などの悪性疾患の患者さんは、少なからず不安を抱えているため、迅速な診断と治療方針の決定を目指すとともに、信頼関係を構築し診療にあたることを第一に考えております。気胸診療にも力をいれており、気胸センターならびに気胸外来を開設しております。難治性気胸も県内各地より紹介され、外科手術のみでなく、気管支鏡を用いた気管支塞栓術なども組み合わせることで治癒を目指すことが可能です。
主な対象疾患
原発性肺がん | 胸壁・胸膜腫瘍 |
転移性肺腫瘍などの悪性肺腫瘍 | 胸部外傷 |
肺良性腫瘍 | 横隔膜疾患 |
自然気胸など肺嚢胞性疾患 | 気道出血 |
縦隔腫瘍 | 気管支腫瘍 |
胸腔内感染性疾患 | 気道異物 |
診療科の実績
手術件数 令和4(2022)年
全身麻酔手術件数 | 315例 (完全胸腔鏡下手術244例、 胸腔鏡補助手術63例) |
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原発性肺がん | 143例 (完全胸腔鏡下手術92例) |
転移性肺腫瘍 | 23例 |
良性肺腫瘍 | 14例 |
気 胸 | 105例 |
縦隔腫瘍 | 16例 |
胸壁腫瘍 | 0例 |
膿 胸 | 5例 |
胸部外傷 | 1例 |
その他 | 8例 |
局所麻酔手術件数 | 1例 |
進行・再発肺がんに対する薬物療法や放射線治療など多数実施しております。特に化学療法・分子標的治療薬に続いて開発された免疫チェックポイント阻害薬も保険適応開始後すぐに導入し、令和4(2022)年までの使用症例数は200症以上に達しました。
教育内容と特徴
医学部教室名称
外科学第二(呼吸器外科)
研究テーマ
呼吸器外科治療に関する臨床研究、肺癌の薬物療法、肺移植に関する基礎研究など
教育方針
医学部教育においては呼吸器の外科疾患とその手術適応・手術・周術期管理などの講義・臨床実習を担当します。研究環境が整えば小動物を使った肺移植に関する基礎的研究を始める予定です。地域の病院との診療連携システムの構築・IT技術を駆使することによる遠隔医療などもテーマにする予定です。また、本学の大学院による学位取得を可能とします。
取得可能な資格
日本外科学会 外科専門医・指導医、日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医、日本呼吸器内視鏡学会 気管支鏡専門医・気管支鏡指導医、日本呼吸器学会 呼吸器専門医などについては取得を目指してもらいます。
今後は内視鏡手術関係の資格についても必要になる可能性があり、その際にはシステム作りをします。
日本医師会認定産業医なども取得の意思があれば取得可能です。
志をともにする医師を募集
診療と教育そして研究を実践していくにはまだ人員不足ですので、教員を若干名募集します。詳細は以下のメールアドレスに診療科を明記の上お問い合わせください。また研修医の募集も随時行っております。詳細はトップページの「当院で働きたい方」をご参照ください。
病院代表窓口(総務グループ)
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