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医療設備・医療機器

ハイブリッド手術室

手術室数:9室(HBR1室、BCR1室、OP7室)
<血管撮影装置>
保有台数:1台
機種名:Azurion 7 C20
メーカー:株式会社フィリップス・ジャパン

ハイブリッドと言えば、電気モーターとガソリンエンジンの長所を組み合わせたハイブリッド車をすぐ思い浮かべますが、ハイブリッド手術とはどんな手術なのでしょうか。
ハイブリッド手術とは、バイパス手術など従来の外科手術と、カテーテルによる血管内治療を組み合わせた手術の事をいいます。

当院では、平成31(2019)年4月より、十分なスペースと空気清浄度のある手術室に、専用ベッドと連動する最新の血管撮影装置を備え、高精度の血管内治療とバイパスなどの外科治療を同時に行えるハイブリッド手術室を開設しました。動脈瘤に対するステントグラフト内挿術などの高度な治療を、より安全な環境で行う事ができるようになりました。

ハイブリッド手術の最大の利点は、患者さんの体の負担を軽減させながら、十分な治療効果を提供できる事です。
胸部・腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術や、重症の動脈硬化症でカテーテル治療のみでは治療困難な場合、動脈瘤破裂や急性動脈閉塞に対する緊急手術など、心臓血管外科領域でハイブリッド手術は特に威力を発揮します。
ステントグラフト内挿術は、手術技術の進歩に伴い、適応となる患者さんも増えております。血管の走行が複雑で、数年前には治療困難とされていた場合でも、当院の最新の設備の恩恵もあり、安全に施行できる事も少なくありません。
また令和2(2020)年からは、ハイブリッド手術室でなければ実施できない大動脈弁狭窄症に対するカテーテル手術(TAVI:経カテーテル的大動脈弁植え込み術)も開始されています。

当院心臓血管外科では、最新の設備を備えたハイブリッド手術室をフル活用し、患者さんに最適な治療を提供できるよう、日々診療しております。

手術支援ロボット(da Vinci)

保有台数:1台
機種名:da Vinci Xi サージカルシステム
メーカー:インテュイティブサージカル合同会社

手術支援ロボットda Vinci(ダ・ヴィンチ)は、患者さんの腹部に開けた小さな穴から体内に入れた鉗子などの機械を、医師が離れたところにある操縦台に座って操作します。操縦台につけられたモニター画面では3D(立体)映像として腹腔内を見ることができるため、細やかな手術を安全に行うことができます。
当院では最新型のXiシステムを東北地方で初めて導入しています。現在、当院泌尿器科では以下の2つを対象としてロボット手術を行っています。
限局性前立腺癌に対して、ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(ロボット前立腺手術)を施行しています。

転移のない腎臓がんで大きさが7cm以下に対して、ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(ロボット腎手術)を施行しています。

ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術
(ロボット前立腺手術)

限局性前立腺癌に対する保険適応の治療法です。前立腺と精嚢腺の摘除、尿道と膀胱を吻合するもので、早期の前立腺癌に対する有効性が確立された治療方法の1つです。開腹手術に比べて、傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ないなどの利点があります。そのため術後の回復が早く、手術翌日に歩行可能であり、食事も開始できます。また、出血量が少ないためこの手術法では他人の血液を必要とする輸血の確率は5%未満とされています。繊細な手術が可能なため、前立腺周囲に走行している神経血管束(男性機能や尿道括約筋機能に関連)を温存することにより、術後の尿失禁や男性機能の回復が早い傾向があります。入院期間は9-12日間程度と短いことも特徴です。前立腺癌の可能性があると指摘された場合やご心配な場合はまずPSA検査や前立腺生検が必要になります。

ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術
(ロボット腎手術)

腎臓がんに対する保険適応の治療法です。腎臓の正常部分を維持しながら腫瘍を切除するもので、腫瘍が小さい場合が対象となります。開腹手術に比べて傷が小さく痛みが軽度で、手術後の回復が早い、手術中の出血量が少ないなどの利点があります。そのため、術後の回復が早く手術翌日に歩行可能であり食事も開始できます。また、出血量が少ないためこの手術法では他人の血液を必要とする輸血の確率は5%未満とされています。繊細な手術が可能なため、腹腔内での精密な切開や正確な縫合を素早く行うことが可能であり、阻血時間の短縮や術後の腎機能温存につながります。入院期間は7-10日間程度と短いことも特徴です。腎臓がんの可能性があると指摘された場合やご心配な場合はまず腹部エコー検査やCT検査が必要になります。

手術用顕微鏡(脳神経外科)

保有台数:1台
機種名:KINEVO 900
メーカー:カールツァイスメディテック株式会社

東北医科薬科大学脳神経外科で導入した手術用顕微鏡KINEVO 900は、昨年日本に初上陸した最新の顕微鏡です。
特に当科では術中に蛍光物質の静脈注射により血流を確認する蛍光血管撮影をインドシアニングリーンとフルオレサイトの2種類で施行できる仕様にしてあり、安全で正確な手術に繋がります。本機器は今までにはない種々の革新的なロボット機能を搭載しています。特筆すべきは、顕微鏡の振動を最小限に抑える機能により、片手のみの操作で圧倒的な操作性を実現していることです。そのほかに、焦点を合わせた術野を中心に回旋する機能、ボタン操作一つで予め保存した術野と同じ倍率、同じ距離、同じアングルに瞬時に戻ることができる機能も有しています。
これらにより、安全でより精度の高い手術を提供することができます。
今後は、内視鏡やナビゲーション装置との連動を予定しており、さらなる精度・機能の向上を目指しています。

手術用顕微鏡(眼科)

保有台数:1台
機種名:OPMI Lumera 700
メーカー:カールツァイスメディテック株式会社

眼球内部は非常に繊細な構造をしているため、現在眼科で行っている手術の大部分は顕微鏡を使用しています。手術を安全に行うためには技術は勿論ですが手術中の術野をいかに鮮明に観察できるかが大きなポイントにもなります。
眼科では平成30(2018)年4月より眼科手術室に眼科手術用顕微鏡(OPMI Lumera 700)が導入されました。この顕微鏡は光学系に赤、青、緑の3つの波長に対して色収差を補正したアポクロマート、さらに照明系にはステレオ同軸照明という技術を採用しており、高解像度で忠実な色再現性により正確で安全な顕微鏡下手術が可能になっています。また照明等を制御する操作も容易に行うことが可能になり、様々なシチュエーションに対応できるようになりました。顕微鏡に広角眼底観察システムResightを取り付けることによって、網膜剥離や糖尿病網膜症などに対する硝子体手術も安全に行うことができるだけでなく、より質の高い見え方を目指した手術治療が可能になりつつあります。

手術用顕微鏡(耳鼻咽喉科)

保有台数:1台
機種名:OPMI PENTERO 800
メーカー:カールツァイスメディテック株式会社

平成31(2019)年4月から新大学病院棟がオープンし手術室も広く新しくなりました。それに伴い手術に関連する機器も最新のものが導入されています。
中耳手術には手術用顕微鏡は欠かせないものですが、今回手術用顕微鏡が、カールツァイス社の最上位機種(OPMI PENTERO 800)に更新されました。アポクロマート光学系による鮮明な画像、高解像度のビデオシステム、人間工学に基づいたスタンドアームによる動作性の向上など、より良い手術ができる環境が整いました。耳科手術のみならず、喉頭手術や微細な神経の縫合を要する手術などにも活用されています。

血管撮影装置

保有台数:3台
機種名:Allura Xper FD20/20
(場所:新館2階 血管撮影室1)
メーカー:株式会社フィリップス・ジャパン
機種名:Infinix Celeve
(場所:新館2階 血管撮影室2)
Infinix Celeve
(場所:新館2階 血管撮影室3)
メーカー:キャノンメディカルシステムズ株式会社

血管撮影とは、血管に造影剤を注入してX線撮影する検査法のことです。動脈撮影は腫瘍、動脈瘤、血管の閉塞などの診断に有力で、透視をしながら行います。当院では心血管、大動脈、胸腹部動脈、四肢の動脈撮影などを行っています。

検査は太腿の付け根や肘の皮膚表面からカテーテルとよばれる直径数ミリの細い管を血管内に挿入し、透視下で目的とする血管に誘導し、造影剤を血管内に注入し画像化しています。

主に血管内治療を行うために、最新の血管撮影装置を3台装備しています。これらの装置は新しいX線検出器である「フラットパネルディテクタ」と言われる最新の画像処理技術により、従来よりも高精細な画像をより低被曝で得ることができます。また、CTやMRIの血管描出の増加に伴って血管病変の診断目的の検査が減少し、カテーテル治療に移行してきたのが最近の動向です。狭窄や閉塞した血管を拡げ血液の流れを改善する血管拡張術、病変の栄養血管に治療薬を注入して血管を塞栓して壊死させる治療、出血した血管を止血する治療があります。胸部や腹部の大動脈瘤をカテーテルで治療するステントグラフト内挿術も始めました。バネ付き人工血管を、ステントグラフトと言いますが、これを用い大動脈瘤部分の血管内に留置、密着することで、大動脈瘤への血液の流入を無くし、破裂しないようにします。これらは外科的手術と並ぶ治療法の大きな柱のひとつです。

血管撮影検査血管撮影検査全件数
令和5(2023)年度860件
令和4(2022)年度957件
令和3(2021)年度985件

放射線治療装置

保有台数:1台
機種名:Elekta Synergy
Aquilion LB
(場所:新館1階 リニアック室)
メーカー:エレクタ株式会社

放射線治療とは、放射線を照射することで病変を死滅させる治療方法です。

リニアック(Liniac=直線型加速器)と呼ばれる、電子を加速することによって高エネルギーの放射線を発生させ病変に照射する装置を使用しています。多方向から放射線を照射し病変部でこれらが重なり合うようにすると、そこに高い放射線量があたるのでまわりを傷つけずに病変を治療することができます。

当院では、CT-リニアック(直線加速器)システムを装備しています。これはCTとリニアックの寝台を共通させてお互いに向かい合うよう設置した治療システムです。放射線が病変に正確に照射されるように、照射場所を決めなくてはなりませんが、病変の場所をCT画像やレントゲン画像を用いてその位置決めを特定しています。CTとリニアックを一体にすることで、直前のCT撮影で予定の照射位置がずれていないか確認、調整しながら照射しています。例えばこれにより前立腺に照射したい場合は、前立腺の後ろにある直腸への被曝を減らすことができ、効果的に放射線を前立腺に照射することができるようになるわけです。

放射線治療放射線治療全件数
令和5(2023)年度8,043件
令和4(2022)年度8,262件
令和3(2021)年度7,557件

CT装置

保有台数:5台
機種名:Aquilion Prime SP / i Edition
(場所:本館1階 CT室1)
Aquilion One
(場所:本館1階 CT室2)
Aquilion Prime SP
(場所:新館1階 CT室3)
Aquilion Prime SP / i Edition
(場所:本館1階 CT室4)
Aquilion Prime SP
(場所:新館1階 CTシュミレーター室)
メーカー:キャノンメディカルシステムズ株式会社

CTとは、Computed Tomography(コンピューター断層撮影)の略でX線を用いて体の断層像(輪切りの写真)を得る装置です。

装置は、ドーナツ状になっておりその輪の中にベッドが入るようになっていて、患者さんにはそこに横になっていただきます。外部からは見えませんが、装置の中ではX線を出す機械が回転するようになっていてX線を体の回りからぐるりと当てて得られた情報をコンピューターで計算し、画像を作成します。ベッドを動かしながら複数の検出器を用いると検査時間が大幅に短縮できるようになりました。

当院では、世界最高の検出器数を有する320型のCTが装備されています。この320列型CT装置では、1回転の撮影範囲が160mmになります。その1回転も0.275秒で撮影が可能となりました。このスペックにより冠動脈CT撮影は、これまでの64列型では10秒程度かかっていた撮影時間が最短で1心拍(約1秒程度)で撮影ができるようになりました。

CT検査冠動脈CT検査
件数
CT検査
全件数
令和5(2023)年度653件24,347件
令和4(2022)年度664件22,909件
令和3(2021)年度594件22,920件

MRI装置

保有台数:2台
機種名:MAGNETOM Aera 1.5T
メーカー:シーメンスヘルスケア株式会社

MRIは、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging)の略称で、強い磁場と電波を使って体の断層像を撮る検査です。

患者さんにはベッドに寝ていただき強い磁場が発生している大きなトンネルの中に入ってもらい体に外から電波を加えます。これにより、体内の水素原子が共鳴し、共鳴した水素原子から微弱な電波が発生します。MRI装置はこの微弱な電波を受信して、コンピューターにより画像化する装置です。人の体の70%を占める水に含まれる水素原子が、強い磁場に反応する性質を利用して、人体のあらゆる方角の断面を撮影する検査です。

検査中に装置内から「コンコン」という音がしますが、これは、必要な断層像を得るために磁場を微妙に変化させる必要があるためです。また、MRIはX線を使うCTと違って骨や空気による画像への悪影響が全く無いため、例えば頭蓋骨に囲まれた脳や脊髄などの診断に適しています。当然X線を使っていないので放射線被曝はありません。

MRI検査MRI検査全件数
令和5(2023)年度8,681件
令和4(2022)年度8,391件
令和3(2021)年度8,546件

ガンマカメラ装置

保有台数:1台
機種名:Symbia E
メーカー:シーメンスヘルスケア株式会社

微量の放射性同位元素(Radio Isotope=RI)と、臓器や組織に特異的に集まる薬を合わせた(放射性医薬品)を使って病気の有無を調べる検査です。

目的とする臓器や組織に集まった薬は、そこから放射線の一部のガンマ線を体外に向けて放出しますので、それをガンマカメラと呼ばれる専用のカメラを用いて画像にします。

CTやMRIが臓器の形態画像であるのに対し、核医学検査では血流や代謝などの機能情報を画像として反映することができます。つまり、病気による形態上の変化が現れる前の微妙な兆候をより早期に見つけ出すこともできます。また、このカメラを回転させ撮影することでCTやMRIと同様な断層画像が得られます。この断層撮影のことをSPECT(=スペクト single photon emission CT)と称されています。

核医学検査核医学検査全件数
令和5(2023)年度1,428件
令和4(2022)年度1,310件
令和3(2021)年度1,325件

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