泌尿器科
当科では 泌尿器良性疾患、泌尿器悪性腫瘍に対して、ロボット手術、腹腔鏡下手術、内視鏡を用いたレーザー手術治療、人工括約筋(AMS800)等の手術療法を行う一方で、最新の薬物療法を中心とした総合的治療を行っております。
診療科長あいさつ
海法 康裕Dr. Kaiho Yasuhiro
泌尿器科の対象疾患臓器としては、腎、尿路・男性生殖器、副腎などの後腹膜臓器の疾患を扱います。疾患の種類としては、泌尿生殖器系悪性腫瘍、泌尿器系良性腫瘍、神経因性膀胱、尿失禁、前立腺肥大症、男性性機能障害、副腎疾患、尿路結石症、尿路感染症など非常に広範囲の疾患を取り扱っています。
現在、わが国では、未曾有の超高齢化時代に突入しており、特に東北では東日本大震災以降の被災地の高齢化に拍車がかかっている状態です。泌尿器科疾患においても、超高齢者で多くの合併症を抱えた患者さんの治療頻度が明らかに増加してきております。今後、総合医としての能力を兼ね備えながら、生活の質を重視した、より効果的でより専門的かつ高度な医療を行うことは、我々泌尿器科医が担う使命と考えております。
診療方針と特徴
今回、平成29(2017)年4月の新規泌尿器科診療体制開設と共に、ロボット手術(前立腺全摘除術、腎摘除術、腎部分切除術、腎盂形成術)やレーザー治療[(前立肥大症治療(HoLEP)、尿路結石治療(TUL)等)]の最新機器を導入、その他、男性重症尿失禁に対する人工尿道括約筋(AMS800)などの幅広い総合的泌尿器科疾患治療を行っています。
主な対象疾患
泌尿生殖器系悪性腫瘍 (前立腺癌、腎癌、膀胱癌、腎盂尿管癌、精巣癌、陰茎癌) | 前立腺肥大症 |
神経因性膀胱 | 尿失禁 |
間質性膀胱炎 | 男性性機能障害 |
小児泌尿器科疾患 | 副腎疾患 |
尿路結石症 | 尿路感染症 |
診療科の実績
手術実績
術 式 | 件 数 | |||
---|---|---|---|---|
令和3(2021)年度 | 令和4(2022)年度 | 令和5(2023)年度 | ||
前立腺癌手術 | ロボット支援前立腺全摘術(RARP) | 24件 | 20件 | 24件 |
膀胱癌手術 | 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT) | 90件 | 91件 | 74件 |
膀胱全摘術+回腸導管術 | 2件 | 2件 | 1件 | |
膀胱全摘術+尿管皮膚瘻術 | 1件 | 1件 | 0件 | |
腎癌手術 | ロボット支援腎部分切除術(RAPN) | 5件 | 14件 | 14件 |
腹腔鏡下腎摘除術 | 20件 | 21件 | 14件 | |
開腹腎摘除術 | 4件 | 0件 | 0件 | |
開腹腎部分切除術 | 0件 | 2件 | 0件 | |
腎盂尿管癌手術 | 腹腔鏡下腎尿管全摘除術 | 11件 | 14件 | 12件 |
副腎手術 | 腹腔鏡下副腎摘除術 | 10件 | 6件 | 5件 |
前立腺肥大症 | 経尿道的前立腺レーザー核出術 (HoLEP) |
5件 | 5件 | 4件 |
尿路結石 | 経尿道的結石砕石術(f-TUL) | 47件 | 32件 | 47件 |
経尿道的膀胱結石砕石術 | 2件 | 4件 | 2件 | |
精巣手術 | 高位精巣摘除術 | 2件 | 2件 | 1件 |
陰嚢水腫根治術 | 1件 | 2件 | 2件 | |
精巣捻転修復術 | 3件 | 3件 | 0件 | |
精巣固定術 | 0件 | 0件 | 1件 | |
尿道狭窄 | 内尿道切開 | 0件 | 1件 | 4件 |
陰茎手術 | 陰茎部分切除術 | 1件 | 1件 | 2件 |
包茎 | 0件 | 0件 | 1件 | |
その他 | 人工尿道括約筋埋込術 | 1件 | 3件 | 2件 |
腹腔鏡下腎盂形成術 | 0件 | 2件 | 0件 | |
ロボット支援腎盂形成術 | - | - | 4件 | |
膀胱部分切除術 | 0件 | 0件 | 1件 | |
尿道憩室摘除術 | 0件 | 0件 | 1件 | |
経尿道的膀胱止血術 | 7件 | 3件 | 0件 | |
尿管鏡 | 5件 | 6件 | 15件 | |
膀胱水圧拡張術 | 2件 | 2件 | 3件 | |
膀胱異物除去術 | 1件 | 1件 | 0件 | |
ポート造設術 | 6件 | 4件 | 7件 | |
経尿道的膀胱粘膜焼灼術 | 2件 | 0件 | 1件 | |
尿管剥離術 | - | - | 2件 | |
合 計 | 252件 | 242件 | 244件 |
前立腺生検 | 75件 | 57件 | 52件 |
---|---|---|---|
尿管カテーテル留置術 | 81件 | 75件 | 73件 |
教育内容と特徴
医学部教室名称
泌尿器科学
研究テーマ
- 限局性前立腺癌の治療、とくに手術療法においては、2大合併症である尿失禁や性機能障害が高率に起こり患者QOLを著しく低下します。これまでこれら術後の尿失禁や勃起障害を防ぐため、神経温存手技や括約筋温存など様々な手技が試みられておりますが、いまだ十分な予防策はなく、今後の手技の工夫や術後有効な回復プログラムの開発が期待されています。当院では神経温存ランドマークの確定、新たな回復プログラムの開発の研究を行っております。
- 泌尿器腫瘍における糖鎖抗原の発現の意義と、その機能、治療への応用に関する研究を行っております。
教育方針
多種職連携を重視したチーム医療、総合医としての能力も的確に身につけることができる教育に配慮しています。これら総合的技量をベースに泌尿器科専門医に必要なすべての専門的知識や技能の迅速な習得とリサーチマインドを持つ有能な泌尿器科医を育成する事に重点を置いています。さらに、本病院では、腹腔鏡手術、ロボット支援手術、レーザー内視鏡手術など新しい機器を備えており、専門医資格取得と同時に他の認定医の資格取得可能な研修内容になっています。また、本学の大学院による学位取得を可能とします。
取得可能な資格
日本泌尿器科学会専門医拠点教育施設ですので、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医の取得が可能です。
志をともにする医師を募集
診療、教育、研究の実践を効率的に行うにあたり、助教、講師等募集しております。詳細は「当院で働きたい方」をご参照ください。
病院代表窓口(総務グループ)
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