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脳神経外科

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神経救急、脳卒中急性期治療を通じ、地域医療に貢献します。
患者さんとそのご家族に寄り添い、医療を提供します。
脳神経外科手術において、病変の確実な処置と最大限の神経機能温存の両立を目指します。

診療科長あいさつ

遠藤 俊毅

遠藤 俊毅Dr.Toshiki Endo

東北医科薬科大学脳神経外科は平成30(2018)年4月1日に、初代教授 佐々木達也が就任し開設されました。当時の准教授 林俊哲、助教 庄司拓大ら、開設時のスタッフと協力し、脳卒中、神経外傷を中心に診療・研究活動を行い、教室の基礎を築きました。開設から6年になる現在までに、当院救急科、脳神経内科、総合診療科をはじめとする関連各科との診療協力体制が構築され、中核病院として地域医療に貢献しています。

佐々木教授は神経モニタリングを専門とし、これまでに運動、感覚、そして脳神経機能を手術中にモニターする方法を確立されました。平成31(2019)年に完成した新大学病院棟の手術室には最新鋭の手術機器と術中モニタリング装置が設置され、現在も特任教授として臨床現場に立たれる佐々木教授の指導のもと、医師、ナース、臨床工学技士が一致団結して、神経機能温存を目指した脳神経外科手術遂行のために努力を続けています。

私は令和5(2023)年4月より2代目の教授に就任いたしました。専門は脊椎脊髄疾患、脳腫瘍、脳卒中の外科手術、そして三叉神経痛、顔面神経に対する微小血管減圧手術です。脳神経外科手術はそれぞれの患者さんにとって一生の一大事です。患者さんおよびそのご家族とよく相談して治療方針を決定することをモットーにしています。そして、手術を行う場合には、神経モニタリングを駆使し、病変の確実な処置と最大限の神経機能温存の両立を目指します。

さらに現在の医療では解決できない難治性疾患の予後改善のため、新規治療法の開発に取り組んでいます。現在行っているのは、悪性脊髄腫瘍に対する光線力学的療法を用いた治療法の開発です。産学連携、そして他分野との協力体制を構築し、患者さん、社会のためになる研究活動を行って参ります。

医学生・研修医の皆さんには、講義や実習・研修を通じて、脳や脊髄という臓器の魅力、患者さんの人生を背負う脳神経外科医の責任の重さとやりがいを伝えていきたいと考えています。教室の発展には新しい力と人材育成が重要です。是非、多くの皆さんが脳神経外科を志し、我々の仲間に加わっていただけることを期待しています。

診療方針と特徴

仙台市内、宮城県内の各施設と連携し、患者さん中心で最新の医療を提供します。

近年、脳腫瘍、三叉神経痛、顔面けいれん、脊髄脊椎疾患の手術が増えております。

当科の役割

当科の役割は大きく3つに分けられます。

1つ目は多賀城市、塩釜市を含む仙台市の東側あるいは北側の地域医療の充実です。脳神経疾患全般にわたり最新の治療を提供します。急性期脳卒中患者に対応できる脳卒中ユニット(stroke care unit:SCU)の開設も準備中です。

2つ目は学生教育・研修医教育を通じた地域医療に貢献できる医師の育成です。それぞれの医師が地域医療の現場で神経救急患者、脳卒中患者の初期診療に携わることを想定し、問診、神経診察、画像診断能力の向上をはかります。

3つ目は将来を担う脳神経外科医師の育成です。近年の脳神経外科医療は過渡期にあります。特に、脳卒中疾患に対する脳血管内治療症例数が急増したことにより、若い医師が直達手術を執刀する機会が減っています。当科では脳あるいは脊椎脊髄疾患への直達手術を、指導医の監督のもと、若手医師により多く経験してもらっています。これにより、すべての脳神経外科手術に必要な顕微鏡下での手術手技の習得を促進する環境を整えています。もちろん、手技のみならず、診断能力や判断能力を鍛え、患者さんあるいはそのご家族や病院スタッフから信頼される脳神経外科医の育成に努めています。

脳神経外科

主な対象疾患

脊髄腫瘍脊髄血管障害
キアリ奇形・脊髄空洞症脊椎変性疾患
脳腫瘍
(髄膜腫、聴神経腫瘍)
頭蓋底腫瘍
片側顔面けいれん三叉神経痛
脳卒中
(くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞)
未破裂脳動脈瘤
脳動静脈奇形海綿状血管腫
頭部外傷水頭症

など

診療科の実績

令和2
(2020)年度
令和3
(2021)年度
令和4
(2022)年度
入院総数223件169件214件
手術総数126件94件159件
観血手術83件72件140件
脳腫瘍6件8件31件
脳動脈瘤クリッピング6件5件11件
脊椎脊髄手術0件0件39件
うち脊髄腫瘍0件0件21件
血管内手術43件22件19件
うち脳動脈瘤16件7件11件

教育内容と特徴

医学部教室名称

脳神経外科学

研究テーマ

  • 術中神経モニタリングの精度向上

    術中神経モニタリングの精度向上により、安全な脳神経外科手術施行を目指します。脳神経外科の手術は常に、神経症状が後遺するという危険性と隣り合わせです。我々は手術合併症を回避するため全身麻酔の状態でも神経機能を把握できる『術中神経モニタリング』を開発・臨床応用しています。この神経モニタリングはすべての脳神経外科手術において応用可能ですが、特に効果を発揮するのが脊髄腫瘍の摘出手術です。自身の小指ほどのサイズの脊髄、その内部にできる腫瘍は神経モニタリング無くしては摘出できません。術中神経モニタリングの精度を向上させ、治療の難しい脊髄腫瘍であってもより安全に手術ができるよう日々研究を重ねています。

  • 脊髄悪性腫瘍への新規治療開発
    (光線力学的療法)

    治療困難な希少疾患、脊髄悪性腫瘍に対する光線力学的療法をもちいた新規治法の開発に取り組んでいます。この研究計画は日本医療研究開発機構AMEDの革新的がん医療実用化研究事業に採択され(https://www.amed.go.jp/koubo/15/01/1501C_00038.html)、現在、全国6大学において展開されている医師主導治験を当科が主導しています。

  • 神経内視鏡、外視鏡をもちいた
    低侵襲手術法開発

    神経内視鏡あるいは外視鏡を駆使した低侵襲手術の開発・臨床応用を行っており、患者さんが早期に日常生活に戻れるような手術治療法開発を目指しています。

  • 神経幹細胞をもちいた
    脊髄損傷後の神経再生医療研究

    東北大学大学院 神経外科学分野、神経外科先端治療開発学分野と共同研究を行い、神経幹細胞をもちいた脊髄損傷後の神経再生医療研究に取り組んでいます。

教育方針

医学部の学生教育において、脳神経外科医が行っていることをわかり易く教え、脳神経外科のやりがいや充実感を感じとってもらえるよう工夫しています。一人でも多くの学生に興味をもってもらい、自身の専攻として脳神経外科を目指す学生・研修医が増えるように努力しています。実習にきた学生が『脳神経外科に進もう』『東北地方でがんばろう』と感じられるよう、魅力ある教室をつくりあげます。

取得可能な資格

  • 日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医
  • 日本脊髄外科学会 脊椎脊髄外科専門
  • 日本脳卒中学会 脳卒中専門医
  • 日本神経内視鏡学会 技術認定医
  • 日本脳卒中の外科学会 技術認定医
  • 日本脳神経血管内治療学会 専門医

志をともにする医師を募集

脳神経外科スタッフ

患者さんを診療するにあたっては何を基準に診療方針を考えたらよいでしょうか。我々は患者さんを自らの家族と同様に思い、診断・治療にあたる医師を募集しています。そのためには常に最先端の知識・技術を得ることに努力し、必要であれば様々な施設と連携し、最先端の技術を開発・提供することが必要です。我々の教室はできたばかりですが意欲に満ちています。是非、共に未来の脳神経外科を作りましょう。

病院代表窓口(総務グループ)

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診療時間・お問合わせ

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[休 診 日]土日祝祭日および年末年始

[面会時間]15:00~19:30

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