眼科
当科では失明原因の40%をしめる緑内障と糖尿病網膜症に対して手術治療を行うことができます。また、難易度の高い白内障手術に対応することが可能です。
診療科長あいさつ
髙橋 秀肇Dr. Hidetoshi Takahashi
人間は外界からの情報の80%を視覚から得ていると言われているように、視覚は五感の中でも特に重要な感覚とされています。普段当たり前のように物を見て生活している我々の生活も、視力視野障害によって大きく制限されるため、機能が障害されて初めて見えていることの重要さに気づかされることも少なくありません。
医療は確実に進歩しておりますが、現在の治療では引き起こされた視機能障害を回復させることはまだまだ難しいことが多いのが現状です。早期発見、早期治療だけでなく、病気になる前の未病の段階から個人の病気の特性を見極めていくことが今後の医療には必要とされてきています。
我々眼科医は少しでも視機能を守ることを使命とし、日常診療を行っております。私自身現在まで様々な地域で診療を行い、特に石巻赤十字病院赴任期間中には東日本大震災を経験しました。その経験をもとに、少しでも東北地方の医療に貢献できるよう努めていきたいと考えています。
診療方針と特徴
当院における眼科診療は一般的な眼科検査・治療を行うとともに総合病院として他科と連携した総合的な診療を行うことができます。さらに東北大学病院以外の県内の総合病院ではあまり見られない、1施設において白内障手術/網膜硝子体手術/緑内障手術に対応できる大学病院としての特色もあります。
外来では眼科疾患全般に対応しますが、必要に応じて専門性の高い施設へ紹介することもあります。
手術は、白内障手術を中心に行っており難症例にも対応することができます。手術日は(月)(水)(金)の午前/午後となっており、なるべく待機期間が短くて早めに手術できるように努力しております。網膜剥離など緊急性の高い疾患に対しては定期手術日以外でも速やかに手術を行い視機能維持に努めております。
糖尿病網膜症や緑内障は中途失明原因の上位を占める疾患ですが、進行しないように定期的に治療を行いながら、必要時には手術を行い対応できます。視力低下が高度になった場合には、障害申請やロービジョンケアを行いながら社会的/精神的サポートを行います。
また難治性の加齢黄斑変性症や糖尿病網膜症/黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症等に対しては外来で抗VEGF治療などを行っており、長期的な経過観察が必要であることから近隣のクリニックの先生とともに連携しながら診療しています。涙道/眼窩部、眼瞼疾患に対しては耳鼻咽喉科や形成外科と協力して手術を行っています。難治性のぶどう膜炎に対しては血液・リウマチ科と協力しながら生物学的製剤による治療を行うことができます。角膜疾患や小児に対して特殊な治療技術が必要な場合には東北大学病院や仙台医療センターへ紹介しています。
今後も近隣地域や沿岸地域を中心に、紹介していただいた患者さんの治療を行い、治療後は速やかにお返しして連携できるような医療を提供していきたいと考えております。
主な対象疾患
水晶体疾患 | 白内障、水晶体脱臼、眼内レンズ位置異常など |
---|---|
網膜硝子体疾患 | 膜剥離、糖尿病網膜症、網膜動脈/静脈閉塞症、黄斑変性症など |
緑内障 | 原発緑内障、続発性緑内障など |
ぶどう膜炎 | ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病など |
眼外傷 | 眼窩吹き抜け骨折、穿孔性眼外傷など |
その他、眼科全般の疾患に対応します。
診療科の実績
手術実績
令和3(2021)年 | 令和4(2022)年 | 令和5(2023)年 | |
---|---|---|---|
水晶体、前房、虹彩に関する手術 | 1,243件 | 1,342件 | 1,281件 |
網膜硝子体に関する手術 | 441件 | 418件 | 480件 |
緑内障手術 | 62件 | 87件 | 154件 |
眼瞼、角膜、結膜に関する手術 | 33件 | 26件 | 26件 |
眼窩に関する手術 | 0件 | 1件 | 2件 |
合 計 | 1,779件 | 1,874件 | 1,943件 |
教育内容と特徴
医学部教室名称
眼科学
研究テーマ
- 網膜硝子体疾患および緑内障に対する低侵襲で安全な外科的治療の探索
- 緑内障の早期診断方法の確立
教育方針
東北地方では、関東や関西地区と比較して眼科医が不足しているのが現状です。
特に勤務医不足は深刻であり、患者さんの移動手段が乏しい東北地方では自分の専門分野を超えた技量が要求されることもあります。
当科ではそのような患者さんの要望に応えられる技量を持つ(例えば硝子体手術と緑内障手術を習得できるような)眼科医の育成を目指しています。もちろん白内障手術など開業に必要な技術の習得を行うことも可能です。医学教育では眼科疾患全般の診断やその治療法、眼科検査の目的や意義などについて講義を行い臨床実習を担当します。
取得可能な資格
日本眼科学会 眼科専門医を取得するための施設に認定されており、診療実績を積むことにより最小年数で眼科専門医を取得することが可能です。
志をともにする医師を募集
診療、教育を実践するための教員も不足しており医師を募集しています。
詳細は以下のメールアドレスに診療科を明記の上お問い合わせください。
また、研修医の募集も随時行っており、詳しくは「当院で働きたい方」をご参照ください。
病院代表窓口(総務グループ)
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