腎臓内分泌内科
当科では腎臓病・内分泌疾患、電解質・体液量異常等の診断および治療を行っております。
地域連携と患者さんのセルフケアを推進し、病気の知識取得と自己管理を応援します。
診療科長あいさつ
森 建文Dr. Takefumi Mori
腎臓内分泌内科は平成28(2016)年4月より東北医科薬科大学病院になり新設された新しい科です。地域に根ざし患者さんそれぞれのライフスタイルやニーズに合う診療をめざしています。
開設してから地域の先生方を始め、県内外から患者さんをご紹介いただき、お蔭様で診療体制を整えていくことができました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
腎臓は沈黙の臓器であるために、知らない間に腎機能が低下し腎不全に至ります。腎機能が低下する原因の疾患は様々あり、生活習慣病や腎炎、免疫病のこともあれば遺伝性の場合もあります。我々は腎臓が悪くなる原因疾患を診断し、腎機能を悪化させないために患者さんを多方面からサポートします。たとえ腎不全に至っても、我々は生活スタイルに合わせた腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)を提案します。とくに在宅で治療可能な腹膜透析に力を入れており、東北有数の施設です。
地域の皆様に支えていただきながら、地域医療に少しでも貢献したいと考えております。
診療方針と特徴
顕微鏡的血尿や蛋白尿、腎機能障害、電解質異常、多発性嚢胞腎などの腎疾患や難治性(2次性)の高血圧、ホルモン分泌異常などの内分泌疾患を担当しております。
腎臓病や高血圧、内分泌疾患は食環境等の生活習慣や自分の疾患に対する自己管理(セルフケア)が重要です。我々は専門のスタッフと連携し、生活習慣や食事、運動、薬剤管理をご家族とともに教育し、セルフケアをサポートします。
腎臓疾患は末期まで自覚症状が現れないことが多く、気が付いた時には透析を受けなければならない一歩手前ということも少なくありません。血圧上昇やわずかな浮腫みが危険信号ということもあります。健診で血尿や蛋白尿が検出されるのはほとんどの場合、自覚症状が出る以前です。健診を受け、尿検査異常がでたら当科は内科的な腎疾患のほとんどをカバーしています。血液・腹膜透析関連手術や腎生検は当科の医師が行います。腎生検標本も日本の第一人者のご支援を得ながら当科で診断を行います。
新患日や各種専門外来日が異なっておりますので、外来お問い合わせの上、ご紹介いただければ幸いです。多くの先生方にご指導いただきながら、地域医療に少しでも貢献していく所存です。よろしくお願い申し上げます。
追加情報は「腎臓内分泌内科 独自Webサイト」 もご参照ください。
主な対象疾患
慢性腎臓病 (糖尿病腎症、高血圧性腎硬化症など) | 急性腎障害 (薬剤性、脱水症など) |
糸球体腎炎 (微小変化型、膜性腎症、IgA腎症、紫斑病性腎炎など) | 血尿・蛋白尿、ネフローゼ症候群 |
慢性腎不全 (血液透析、腹膜透析) | 遺伝性腎疾患 (多発性嚢胞腎、アルポート症候群など)、血管炎 |
甲状腺疾患: 甲状腺機能亢進症・低下症・甲状腺腫瘍「甲状腺専門外来あり(月2回)」 |
診療科の実績
令和4(2022)年度
透析関連 | 腹膜透析 患者数 |
---|---|
血液透析 実施件数 2,708件(導入56名) | |
アフェレーシス 実施件数 25件 | |
腎生検 | 66件 |
内分泌 | 負荷試験 39件 |
サンプリング 3件 | |
甲状腺穿刺吸引細胞診 37件 |
手術実績
術 式 |
令和4 |
---|---|
腹膜透析カテーテル挿入術 (SMAP法) | 29件 |
腹膜透析カテーテル挿入術 (直接導入法) | 44件 |
腹膜透析カテーテル示指矯正術 | 8件 |
腹膜透析出口部作成術 | 14件 |
腹膜透析カテーテル出口部変更術 | 10件 |
腹膜透析カテーテル抜去術 | 19件 |
内シャント造設術 | 53件 |
長期透析カテーテル留置術 | 14件 |
PTA(透視化、エコー下) | 81件 |
上腕CVポート挿入術 | 5件 |
その他 | 4件 |
合 計 | 281件 |
教育内容と特徴
医学部教室名称
内科学第三(腎臓内分泌内科)
研究テーマ
- 腎髄質血流障害による高血圧および糖尿病性腎障害機序の解明
- 脳心腎の機能的連関による臓器障害機序の解明
- カルボニルストレスによる慢性腎臓病および生活習慣病発症機序の解明
- 腹膜透析における残腎・腹膜機能調節と再生医療の開発
- 慢性腎不全における栄養状態と筋力保持機序の解明
教育方針
腎臓内分泌内科はコモンディジーズから稀な疾患まで専門にとらわれず、幅広い疾患に対応できる医師を養成します。
腎臓・内分泌疾患はその特異性から、多くの疾患に合併するため、専門にとらわれず総合的に診療する力を付けます。自身の医療が正しいか評価し、さらに進歩できないかを常に考えることができるように、リサーチマインドをもてる様に教育します。そのために、基礎および臨床研究を行い、統計学的に医療が正しいか判断できる様、トレーニングを行います。本学の大学院による博士号取得もサポートします。国内外の学会や論文発表を行い、海外留学(短期・長期)を推進します。これにより世界の患者さんに対応できる医師をめざします。医学の修練だけでなく、人間形成に力を入れ、患者さんとのコミュニケーションを深めるための「遊び」も重視します。
取得可能な資格
各学会専門医(日本内科学会、日本腎臓学会、日本内分泌学会、日本透析医学会、日本高血圧学会、日本抗加齢医学会など)の取得が可能です。
また、博士号(本学の大学院など)の取得も可能です。
志をともにする医師を募集
腎臓内分泌内科は新設の科ではありますが、地域の先生のご支援により、症例は非常に豊富であり、すでに歴史のある診療科と同様の症例経験が可能です。腎臓・内分泌領域の診療科の診療科長として独立できる医師を育てます。そのため、血液・腹膜透析関連手術、腎生検・内分泌負荷試験など幅広い技術を獲得していただきます。さらに主観だけにとらわれず、客観的に自身の医療を評価し、さらに良い医療を作れる診療科をめざします。
仙台の腎臓・内分泌医療の新たな歴史をいっしょに刻みませんか?
詳細は「腎臓内分泌内科 独自Webサイト」をご参照ください。
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