脳神経内科
脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉などの神経系の疾患を診療する内科です。
科学や医療の進歩とともに、今なお新たな知見が常に生まれている分野です。
診療科長あいさつ
中島 一郎Dr. Ichiro Nakashima
当科は、東北厚生年金病院神経内科を前身とし、35年間にわたり地域の神経疾患診療に携わってまいりました。
対象疾患は脳梗塞急性期、脳炎や髄膜炎などの緊急性の高いものから、片頭痛やてんかんなどの比較的身近な疾患、免疫学的治療を要する自己免疫疾患、筋萎縮性側索硬化症などの難治性の神経難病に至るまで非常に幅広く、他の内科的疾患に合併する神経障害も含めれば数え切れない数の疾患が対象になります。パーキンソン病やアルツハイマー病などは高齢化とともに年々増加しており、多発性硬化症などの自己免疫疾患も増え続けています。今後も脳神経内科の対象となる患者数は益々増え続け、脳神経内科医の活躍の場は際限なく拡がることが予想されます。
当科はあらゆる神経疾患に対応し、専門性を活かして高度な診療を施してまいります。
診療方針と特徴
神経疾患全般に対して、質の高い医療を心がけています。7名の日本神経学会 神経内科専門医が常勤で勤務しています。
- 日本脳卒中学会 脳卒中専門医が常勤し24時間体制でMRI検査が稼働し、急性期リハビリを交えた急性期脳梗塞治療を行っています。また神経免疫疾患、神経感染症、てんかんなどの神経救急疾患にも対応しております。
- 神経変性疾患を幅広く診療しています。パーキンソン病に対して核医学検査(MIBG心筋シンチ、DATスキャン、脳血流シンチ)による早期診断が可能です。筋萎縮性側索硬化症に対する在宅人工呼吸器管理も行ってまいりました。
- 17年間にわたり高次脳機能障害支援拠点病院として活動してきました。近年、認知症疾患医療センターとしての活動も開始しました。
主な対象疾患
脳卒中 | 神経系の感染症 (髄膜炎、脳炎など) |
神経変性疾患 (パーキンソン病、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症など) | 多発性硬化症 |
末梢神経障害 | 脊髄疾患 |
筋疾患 (筋ジストロフィー、筋炎、重症筋無力症など) | 認知症 (アルツハイマー病など) |
てんかん | 頭痛 (片頭痛、緊張型頭痛など) |
その他脳神経系に関する幅広い病気を扱います。
診療科の実績
退院患者数
令和5(2023)年度
疾患名 | 件 数 |
---|---|
脳血管障害・脊椎梗塞 | 146件 |
末梢神経障害・脳神経障害 | 37件 |
パーキンソン病・ パーキンソン症候群 | 31件 |
多発性硬化症・視神経脊髄炎 | 21件 |
髄膜炎・脳炎・急性散在性脳脊髄炎 | 20件 |
感染症 | 16件 |
てんかん・痙攣重積・不随意運動 | 15件 |
脊髄炎・脊髄症 | 9件 |
重症筋無力症 | 8件 |
運動ニューロン病 | 7件 |
小脳失調症・脊髄小脳変性症 | 7件 |
正常圧水頭症 | 6件 |
視神経炎 | 5件 |
腫瘍 | 4件 |
クロイツフェルト・ヤコブ病 | 3件 |
高次脳機能障害 | 3件 |
ミオパチー・筋炎 | 2件 |
認知症 | 2件 |
その他 | 6件 |
合 計 | 348件 |
教育内容と特徴
医学部教室名称
脳神経内科学
研究テーマ
- 神経疾患の高次脳機能障害
- 免疫性神経疾患の病態解明
- 神経難病のネットワーク構築
教育方針
神経内科学は症候学を基本とし、問診から得られる病態の推測と、神経診察や高次脳機能診察による病巣部位の同定により診断や原因に結びつけることが可能な学問です。神経内科学を習得するには脳解剖や神経生理の基礎的な知識が必要になり、診断には幅広い疾患の知識が必要になります。当科では症候学を重視した学生教育や研修医教育を実施し、学問としての神経内科学を修得しつつ、あらゆる神経疾患に対応できる人材を育成します。
取得可能な資格
日本神経学会認定教育研修施設、日本脳卒中学会研修教育施設に指定されています。
このため、日本神経学会 神経内科専門医や日本脳卒中学会 脳卒中専門医などの資格を、従来の診療実績から求められる最少年数で取得可能です。
志をともにする医師を募集
当科では脳梗塞を含む神経救急の対応、多くの免疫性神経疾患の診療、神経難病の在宅支援など幅広い診療を行っています。当科がカバーする診療圏は広く、毎日多数の新患が受診します。コモンディジーズの外来診療、神経救急、新薬開発(治験)、難病支援、基礎教室との共同研究など、後期研修医はもちろんのこと、あらゆる脳神経内科医の欲求に応えられます。
楽しみながら、向上心を持って専門性を高める意欲のある仲間を募集しています。
病院代表窓口(総務グループ)
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