産婦人科
当科では婦人科悪性腫瘍および婦人科良性腫瘍の治療を主体に東北医科薬科大学若林病院との連携のもと総合的な治療を行っています。また令和元年(2019年)より分娩を再開し、現在年間約200例の分娩を行っています。
診療科長あいさつ
徳永 英樹Dr. Hideki Tokunaga
産婦人科は妊娠の支援と医学的管理、思春期〜性成熟期〜更年期の女性のライフサイクルに伴うホルモン環境の変化、子宮や卵巣などの女性器に発生する良性腫瘍・悪性腫瘍など幅広い疾患を扱う科です。開院以来「患者視点に立ったあきらめない医療」を合言葉に婦人科腫瘍を中心とした診療を行い東北6県全域から数多くのご紹介を頂いています。また、早産低出生体重児への対応については未だ十分とは言えませんが、分娩数は毎年増加しています。ただし、妊婦さんに寄り添ったより安全な分娩管理体制の確保のため、分娩予約数は一定の制限を設けていますため、当院での分娩をご希望の場合は早めに分娩予約を頂くようお願いいたします。今後は小児科および他科との連携を進め、ハイリスク妊娠や合併症管理も積極的に進めていく予定です。
日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍指導医、日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医、日本生殖医学会 生殖医療専門医、日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医、および日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡・子宮鏡技術認定医、ロボット手術認定医が揃っています。特に婦人科悪性腫瘍治療は全国的に指導的立場にある医師が担当しており、初発婦人科がんでは機能温存治療、再発婦人科がんについては新規薬剤を用いた治療や手術治療など総合的な治療対応を心がけています。また産婦人科専門医プログラム基幹施設、日本婦人科腫瘍学会専門医制度指定修練施設Aとして医師の卒後教育も積極的に行っています。
令和6(2024)年度からは当大学1期生が医師として診療に加わりました。また医学部学生も卒後は東北6県全域に羽ばたき、安定かつ安心な医療を提供すべく日夜研修に励んでいます。ご協力できる範囲で結構ですのでぜひ学生の臨床実習にもご協力を頂きますようお願いいたします。
診療方針と特徴
婦人科悪性腫瘍治療では、治療の遅れに関する不安を解消するために、原則的に初診後1ヶ月以内に手術が適用できるよう計画しています。医学的適応及び健康保険の適用条件を遵守した上で、低侵襲手術(腹腔鏡、子宮鏡、ロボット手術)の実施が可能です。また、術後治療あるいは再発がん治療においては治療成績および臨床研究成績に基づいた根拠のある治療の適用を目指しており、治療適用に際して他院でのセカンドオピニオン相談のご希望があれば積極的に受診を推奨しています。さらに他院初回治療後に再発し、治療に困っておられる方も多数受診されています。婦人科悪性腫瘍の管理についてはご遠慮なく受診の上ご相談ください。
婦人科良性腫瘍では、東北医科薬科大学若林病院と連携し腹腔鏡あるいは子宮鏡などの内視鏡手術による体への負担の少ない治療を適用していますが、病状により低侵襲手術適用が困難と判断される場合は安全を第一考慮した治療方針を提示して相談します。
産科診療はLDR2室の産科外来直近の専用分娩室で分娩管理を行います。なお、産科入院および産褥期入院は女性専用病棟で管理を行い、空室状況にもよりますがシャワーおよびトイレが完備された個室での入院を原則としています。
主な対象疾患
子宮頸がん | 子宮体がん |
卵巣がん | 外陰がん |
腟がん | 卵管がん |
腹膜がん | 子宮肉腫 |
転移性婦人科がん | 子宮筋腫 |
卵巣のう腫 | 子宮内膜症 |
不妊症 (高度生殖医療例を除く) | 性感染症 |
骨盤臓器脱 | 性器発生異常 |
合併症妊娠 | 習慣性流産 |
再発婦人科がん | 妊娠合併腫瘍 |
など
診療科の実績
産婦人科手術実績 令和5(2023)年度
婦人科手術
子宮頸部上皮内病変(CIN) | 19例 |
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子宮頸がん | 5例 |
子宮体がん | 18例 |
卵巣がん | 16例 |
卵巣腫瘍(良性) | 23例 |
卵巣腫瘍(境界悪性) | 2例 |
子宮肉腫 | 2例 |
子宮筋腫 | 60例 |
子宮内膜ポリープ | 5例 |
外陰腫瘤 | 1例 |
骨盤臓器脱 | 2例 |
産科手術
分娩数 | 172例 |
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経腟分娩 | 118例 |
帝王切開 | 54例 |
異所性妊娠等その他手術 | 10例 |
教育内容と特徴
医学部教室名称
産婦人科学
研究テーマ
- 婦人科がんにおけるDNA修復異常の研究
- 婦人科がん予後因子の研究
- 婦人科がん治療の臨床研究
- 婦人科内視鏡手術技術に関する研究
- 周産期内分泌学に関する研究
教育方針
医学教育においては、婦人科内分泌学、婦人科腫瘍学、女性医学、および周産期医学の講義ならびに臨床実習を担当いたします。また臨床研究組織との提携により産婦人科臨床研究を積極的に実施します。
取得可能な資格
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
- 日本婦人科腫瘍学会 婦人科腫瘍専門医・婦人科腫瘍指導医
- 日本産科婦人科内視鏡学会 腹腔鏡・子宮鏡技術認定医
- 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医
- 日本臨床細胞学会 細胞診専門医・細胞診指導医
志をともにする医師を募集
学生教育および研究を実施するには、まだまだ人員不足です。
産婦人科学教員を東北医科薬科大学教員として公募を行っています。
公募情報については東北医科薬科大学ホームページをご参照ください。
また勤務の詳細については以下のメールアドレスに診療科を明記の上お問い合わせください。
病院代表窓口(総務グループ)
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