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検査部 長岡裕李 主任臨床検査技師の研究が国際誌「Annals of Clinical & Laboratory Science」に掲載されました

検査部職員が行なっている研究が米国臨床科学会が刊行する国際誌『Annals of Clinical & Laboratory Science』に掲載されました。

 

論文タイトル・著者・掲載誌

論文タイトル

Differentiation-Inducing Effects of Triciribine and All-Trans Retinoic Acid in Acute Myeloid Leukemia Cell lines

日本語訳:急性骨髄性白血病細胞株におけるTriciribineと全トランス型レチノイン酸の分化誘導効果

著者

Yuri Sato-Nagaoka and Shinichiro Takahashi

掲載誌

Annals of Clinical & Laboratory Science; 55(6): p869-878, 2025

PMID: 41633671

研究内容

 急性骨髄性白血病(AML)のサブタイプである、急性前骨髄球性白血病(APL)に対する、全トランス型レチノイン酸(ATRA)による分化誘導療法は確立されていますが、APLにしか著効しないことや、ATRAによる耐性出現が問題点です。そこで、より適応の広い、有効な分化誘導療法の開発が待たれていいます。我々は最近、がんにおいて主要な経路であるAkt経路のキナーゼ阻害活性を有するTriciribine(TCN)が、本来Akt経路が抑制するERK/MAPキナーゼ経路を活性化することで、白血病細胞に対する強力な分化誘導作用を有することを見出しました(1)。本研究では、APLの治療に標準的に用いられているATRAに加えて、我々が見出した分化誘導活性を有するTCNの併用がどのような作用を有するのか検討を行いました。その結果、APL細胞(NB4)株のみならず、AML細胞(HL-60、K052)やATRA耐性(HL-60R2)株に対して、ATRAとTCNの併用は、効率的に分化誘導を促進することがわかりました。具体的には、これらの細胞におけるフローサイトメトリー、定量PCRによる分化マーカー(CD11b、CD11c)発現誘導とともに、形態上、核細胞質比の減少や非特異的エステラーゼ染色陽性率の増加が認められ、部分的な単球系への分化誘導と細胞死が引き起こされることがわかりました。すなわち、TCNとATRAの併用が、将来新たな分化誘導療法の選択肢となりうる可能性が示されました。

文献

  1. Souma Suzuki, Susumu Suzuki, Yuri Sato-Nagaoka, Chisaki Ito, Shinichiro Takahashi, Identification of triciribine as a novel myeloid cell differentiation inducer, PLoS One. 2024 May 14;19(5):e0303428

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