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婦人科ではいくつもの利点がある内視鏡下手術に力を入れてます

内視鏡下手術とは

産婦人科科長 渡辺 正

 婦人科領域の代表的な内視鏡下手術には腹腔鏡下手術と子宮鏡下手術があります。どちらの手術も目的とする臓器に直接触れずに特有の器具を使用してビデオテレビ画面を見ながら行う手術です。通常、腹腔鏡下手術はお腹に3-4カ所の小さな切開をおいて行います。子宮鏡下手術はお腹に傷をつけることなく腟の方から子宮の中に器具を入れて行う手術です。いずれも開腹手術に比較して傷は小さく(あるいはない)、いくつもの利点があります。なお、最初に腹腔鏡で観察、ある程度の手術操作を行った後に8-10cm程度の切開を置いて手術を行う腹腔鏡補助手術を選択することもあります。

当院での取り組み

 私は10数年前まで他の施設で腹腔鏡下手術2000件以上、子宮鏡下手術約400件に立ち会ってまいりました。また、当院に赴任してからの過去15年強の実績では、産婦人科全体で腹腔鏡下手術は4000件弱、子宮鏡下手術は1700件を数えております。今後もこれまでの経験を活かし、内視鏡下手術を中心に婦人科良性疾患の手術に特に力をいれていきたいと考えております。

 当院には仙台市内のほか、仙台市以外からも患者さんをご紹介いただいております。現時点では1ヶ月当りの手術件数は30件前後であるため、対象となる疾患・術式によっては1-4ヶ月の手術待ち時間をいただく場合もございますが、極力、手術までの待ち時間を少なくするように努力してまいります。

手術実績

 2023年(1月から12月まで)の当院の手術症例は324例ですが、その内訳は腹腔鏡下手術211例、子宮鏡下手術127例(腹腔鏡下手術との重複例20例を含みます)、開腹手術6例でした。過去10数年間の実績では毎年手術全体の90%以上を内視鏡下手術が占めていることが最大の特色です(図1)。

 その中でも子宮鏡下手術は年間100件以上で東北地方では最多であると思います。また子宮筋腫に対する腹腔鏡下筋腫核出術、子宮鏡下筋腫核出術の件数は東北地方で有数であると自負しております。

 腹腔鏡下手術の対象疾患(図2)と術式別の症例数(図3)をお示しします。また、子宮鏡下手術の術式別の症例数(図4)をお示しします。

 腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術を受けられる方へお渡ししているパンフレットがございますので、是非ご覧になってください。

腹腔鏡下手術を受けられる方へ

子宮鏡下手術を受けられる方へ

図1:手術件数の年次推移

 腹腔鏡下手術と子宮鏡下手術の重複例があります。

図2:腹腔鏡下手術症例数と対象疾患の内訳(重複無し)

 子宮筋腫、あるいは子宮腺筋症症例の割合が高いのが特色です。

図3:腹腔鏡下手術術式と症例数(重複有り)
  2020年
(総数250)
2021年
(総数240)
2022年
(総数240)
2023年
(総数211)
① 卵巣(腫瘍)摘出手術36 485754
② 子宮内膜症手術74 743945
③ 癒着剥離術1121149093
④ 腹腔鏡(腟式)子宮全摘術70738676
⑤ 腹腔鏡筋腫核出術75727449
⑥ 異所性妊娠手術2222
⑦ ダグラス窩癒着剥離67 76
⑧ その他20211410

 その他の項目には:卵巣多孔術、卵管開口術、卵管采形成術、卵管留水腫切除術などを含んでいます

 実際に行った手術術式を示しておりますので、1人の患者さんでも、たとえば子宮筋腫と卵巣腫瘍の合併例では①と④、子宮内膜症などでチョコレート嚢胞、腹膜病変、癒着などを有していると①②③(⑦)のようには複数の手術が行われるので、全体の合計は患者さんの総数を上回る形となります。

図4:子宮鏡下手術術式と症例数(重複有り)
  2020年 2021年 2022年 2023年
①筋腫摘出手術49604651
②内膜ポリープ切除術82769091
③子宮中隔切除(切開)手術1102
④内腔癒着剥離手術0334
⑤胎盤ポリープ摘出術5323
⑥内膜焼灼術(MEA)2200
⑦子宮内異物除去1010
⑧その他0303
総数129148137127

 子宮鏡下手術で頻度が高いのは、子宮筋腫と子宮内膜ポリープです。③④は不妊症の原因となる疾患に対して行われる手術です。⑥MEAは過多月経に対する子宮を温存する治療ですが、MEAが適応となるかどうか、メリット・デメリットについてもよく説明して検討したいと考えております。

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