研修プログラム
2022年末に「TMPU 救急科専門研修プログラム」が承認され、2024年度から当学一期生2名が救急科専攻医として専門研修を開始しました。
2025年度からは受け入れ枠を3から4に増枠し、連携病院・関連病院も増える予定です。
本プログラムは、研修施設要件を満たした13施設(当院を含む)によって行います。
ECMOへの習熟度を上げるために、東京都立多摩総合医療センターとも連携しています。
Walk-inから重症救急症例の初療・集中治療(クリティカルケア)診療部門を合わせて12~18か月、連携研修施設でのER診療部門、病院前診療および集中治療診療部門を12~18か月、僻地/地域医療研修6か月とします(下図)。
本専門研修プログラムによる救急科専門医取得後には、サブスペシャルティ領域である集中治療専門医、感染症専門医、熱傷専門医、外傷専門医、脳卒中専門医、消化器内視鏡専門医、循環器専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医の研修プログラムに進んだり、救急科関連領域の医療技術向上および専門医取得を目指す臨床研修や、リサーチマインドの醸成および医学博士号取得を目指す研究活動を選択したりすることが可能です。
基幹施設である東北医科薬科大学病院では救急初期診療と入院が必要な中等症~重症患者に対する様々なレベルの集中治療の研修を行います。東北医科薬科大学病院は3次救命救急センターではないため、2年目の前半で宮城県内の救命救急センターにおいて3次救急の修練を積みます。2年目後半は3カ月毎にへき地・地域医療を重視したローテーションを行います。3年目は基幹施設もしくは県外を含む救命救急センターでそれぞれ半年ずつ、より高度な救急医療・集中治療の習得に重点を置いています。
詳細は、下記の卒後研修支援センターのHPからアクセスして下さい。
連携施設
- 東北大学病院
- 仙台市立病院
- 仙台医療センター
- 大崎市民病院
- 石巻赤十字病院
- みやぎ県南中核病院
- 東北ろうさい病院
- 仙台オープン病院
- 石巻市立病院
- 気仙沼市立病院
- 東京都立多摩総合医療センター
研修プログラムの特徴
地域型総合病院
東北医科薬科大学病院は、前進である東北厚生年金・東北薬科大学病院の時代から、特に仙台市東部~塩釜地域に根差した救急医療の提供を行ってきました。2016年に医学部が新設され、あらゆる診療科が揃い、総合病院としての機能が充実しましたが、診断が不確実で診療科が定まらない救急患者さんの初期診断と治療を救急センターで行い、適切な専門診療科に引継ぐことであらゆる急病に対応しています。現在は仙台医療圏全体から救急患者を受け入れており、救急科も専門診療科の1つとして重症患者の集中治療を担当しています。
先端的医療機器 COVID-19 院内活動 重症・ECMOチーム
「ECMO」という宮城県では本院を含め2施設でのみ実施可能な人工心肺装置を用いて重症者治療を行います。
ミーティング開催
各種マニュアル・フローの整備
- 挿管・人工呼吸器マニュアル
- 自己腹臥位・挿管下腹臥位療法マニュアル
- 呼吸ECMOマニュアル
- 院外心停止マニュアル
- コロナ病棟における急変時のフロー
腹臥位、ECMO導入の実践と指導
看護師、臨床工学技士との連携
蘇生教育・ECMO教育 シミュレーション
教室責任者の遠藤は、2005年にAHA(アメリカ心臓協会)心血管救急蘇生教育プログラム実施のために仙台ECCトレーニングサイトを立上げ、約20年にわたり、地域の蘇生教育に尽力してきました。ハートセイバーAEDコース、BLSコース、ACLSコース、JMECCなどのディレクターとなり、市民から専門医まで、あらゆる対象・あらゆる種類の蘇生教育に精通しており、2013年以降はECMO教育の開発と普及に力を入れています。 遠藤らは、ECMOトレーニングを可能にする血管モデルを作成し、その後この血管モデルは市販化され、様々なECMOシミュレーションで全国的に使用されるようになりました。 日本循環器学会の心拍再開後ケアトレーニング、日本ECMOnetのECMO講習会、アジアパシフィックELSOでのE-CPRワークショップ、同ECMOカニュレーションワークショップ、米国で開催されたC3カンファランス、遠藤らが運営するNPO主催のECMOシミュレーションなどでこの血管モデルが使用され、日本のECMO教育の普及に貢献しています。
-
ECMO Training Vascular Model の開発
-
日本循環器学会 心停止後ケアトレーニング指導
-
ECMO-CPR シミュレーション C3 Conference
in Orlando, 2017 & 2019 -
ECMO-CPR Workshop
in Bangkok, Thailand 2019日本チームのメンバーとして香港、オーストラリア、タイのチームと合同参加。 “Endo-Circuit”を使用
-
Asia-Pacific ELSO ECMO Workshop,
Thailand 2019 -
日本ECMOnet セミナー
東北地区コーディネーター・講師 -
ECMO搬送シミュレーション
-
DMAT派遣・訓練