気管支鏡センター
当科では、軟性気管支鏡(気管支ビデオスコープ・気管支ファイバースコープ)や硬性気管支鏡を用いて、さまざまな呼吸器疾患・胸郭内疾患の診断および治療を行っています。

佐川 元保Dr. Motoyasu Sagawa
気管支鏡は、わが国での気管支ファイバースコープの開発により大きな進歩を遂げました。
その後、細径化・高画質化などの不断の努力が行われてきましたが、近年になり、気管支鏡をめぐる技術革新はさらに進歩し、この間に開拓されてきた新しい技術がどんどん実用化されてきています。主なものだけでも、コンベックス型超音波内視鏡による気管支外病変の観察および組織採取、バーチャル気管支鏡とラジアル型極細径超音波プローブを用いた末梢病巣検体採取法などが挙げられますが、これらが日常臨床に近いレベルで行われるようになってきました。
当気管支鏡センターでは、これらの新しい技術や機器をいち早く採り入れ、最先端の医療を提供いたします。さらには、次世代の気管支スコープおよび気管支鏡検査法の開発にも取り組んでいきたいと考えています。
診療方針と特徴
当院は、大学病院として先端医療を提供する一方で、地域医療の第一線病院の役割も担っており、地域の患者さんに質の高い医療を提供する責務も有しています。その面で最も重視していることは「安全で苦痛のない気管支鏡検査」です。
そのためには、適切なモニタリングと前投薬・鎮静鎮痛薬の投与が重要ですが、それらは気管支鏡センターの開設以来、急速に改善しています。最近検査を受ける患者さんは、以前に比較してはるかに楽に気管支鏡検査を受けることができており、検査に対するイメージも非常に改善しております。
多くの患者さんに「検査はまったく苦しくなかった」とおっしゃっていただいています。
今後も「患者さんにとって、さらに楽な気管支鏡検査」を目指していきます。
主な対象疾患
- 肺癌をはじめとした呼吸器腫瘍性疾患の診断
- 良性・悪性の気道狭窄に対する狭窄解除・ステント留置などの気道内治療
- 感染性疾患における抗酸菌・真菌・原虫などの原因病原体の特定
- 原因不明のびまん性肺疾患に対する病理組織採取
- 超早期肺癌に対する気道内レーザー治療
- リンパ節腫大などの縦隔・肺門疾患に対する穿刺生検による確定診断
- コントロール困難な気漏のある症例に対する気管支塞栓術
- 重症呼吸不全状態の患者さんに対する気道管理
診療科の実績
平成24(2012)年度から平成26(2014)年度まで気管支鏡件数は低迷していましたが、平成27(2015)年度から反転し、平成28(2016)年度は気管支鏡センター開設および関連各科の医師の充実により、前年比2倍以上と飛躍的に件数が増大し、現在に至っています。

教育内容と特徴
医学部教室名称:光学診療部
研究テーマ
- 呼吸器内視鏡による診断・治療法に関する研究
- 肺癌の一次予防・二次予防および治療に関する研究
- がん検診のアセスメントとマネジメントに関する研究
教育方針
当院には5名の気管支鏡指導医と多数の気管支鏡専門医が在籍しており、呼吸器内科・感染症内科・呼吸器外科の医師らが協力しつつ検査を行い、気管支鏡センターが総合的にサポートする体制を取っております。
当センターでは、当該科の研修医に対して、担当科の指導医と共に実技を中心とした教育を実施します。学生教育においても、シミュレーション器材などを用いた実習を行い「自らの手でスコープを動かす面白さ」を教えていきます。大学病院として、また地域の基幹病院として、次世代の医師を養成する体制を構築していきます。
一方、気管支鏡以外にも、医学部の光学診療部における研究テーマである「肺癌の一次予防・二次予防・治療」および「がん検診の実施と評価」に関する学生教育・研修医教育も併せて実施していきます。
取得可能な資格
気管支鏡専門医を取得するための施設に認定されており、従来の診療実績から推定すると、最少年数での「気管支鏡専門医」の取得が可能です。
志をともにする医師を募集
センターとしての募集はしませんが、気管支鏡グループとして、呼吸器内科・感染症内科・呼吸器外科で共に学び、共に働いてくれる医師を募集しています。どの科に配属された医師に対しても、気管支鏡に関する知識・技術を十分に学んでいただき、緊急対応なども一人でこなせるようになるまで、グループとして万全なサポートを行っていきます。
詳細は「当院で働きたい方」をご参照ください。
病院代表窓口(総務グループ)
E-mail:Please enable javascript