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婦人科ではいくつもの利点がある内視鏡下手術に力を入れてます

内視鏡下手術とは

産婦人科部長 渡辺 正

婦人科領域の代表的な内視鏡下手術には腹腔鏡下手術と子宮鏡下手術があります。どちらの手術も目的とする臓器に直接触れずに特有の器具を使用してビデオテレビ画面を見ながら行う手術です。通常、腹腔鏡下手術はお腹に3-4カ所の小さな切開をおいて行います。子宮鏡下手術はお腹に傷をつけることなく腟の方から子宮の中に器具を入れて行う手術です。いずれも開腹手術に比較して傷は小さく(あるいはない)、いくつもの利点があります。

当院での取り組み

宮城県でも、この10数年で内視鏡下手術は急速に普及してきました。しかし、婦人科の手術を必要とする患者さんの数に対して受け入れ先が少ない状況が続いております。私は6年前まで他の施設で腹腔鏡下手術2000件以上、子宮鏡下手術約400件に立ち会ってまいりました。また、当院に赴任してからの過去6年の実績では、腹腔鏡下手術は1700件、子宮鏡下手術は600件を超えております。今後もこれまでの経験を活かし、内視鏡下手術を中心に婦人科良性疾患の手術に特に力をいれていきたいと考えております。

当院には仙台市内のほか、仙台市以外からも多数の患者さんをご紹介いただいております。現時点では1ヶ月当りの手術件数は約30~40件のため、対象となる疾患・術式によっては2-3ヶ月の手術待ち時間をいただく場合もございますが、極力、手術までの待ち時間を少なくするように努力してまいります。

手術実績

平成27年(1月から12月まで)の当院の手術症例は437例ですが、その内訳は腹腔鏡下手術319例、子宮鏡下手術145例(腹腔鏡下手術との重複例35例を含みます)、開腹手術7例、その他3例でした。
過去5年間の実績では手術全体の90%以上を内視鏡下手術が占めていることが最大の特色です(図1、2)。
その中でも子宮筋腫に対する腹腔鏡下筋腫核出術、子宮鏡下筋腫核出術の件数は東北地方で有数であると自負しております。
腹腔鏡下手術の対象疾患(図3)と術式別の症例数(図4)をお示しします。また、子宮鏡下手術の対象疾患の症例数(図5)をお示しします。

腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術を受けられる方へお渡ししている パンフレットがございますので、是非ご覧になってください。

腹腔鏡下手術を受けられる方へ(PDF183kb)

子宮鏡下手術を受けられる方へ(PDF443kb)

図1:全体
  平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年
腹腔鏡下手術 204 262 297 318 299 319
子宮鏡下手術 60 65 110 125 99 145
開腹手術 10 7 10 8 9 7
その他 14 10 9 5 2 3
全手術数 269 328 405 418 383 437

腹腔鏡下手術と子宮鏡下手術の重複例があります

図2:腹腔鏡下手術症例数と対象疾患の内訳(重複無し)

 腹腔鏡下手術を行った患者さんを1つの疾患にあてはめたものです。
(実際には2つ以上にまたがっている症例もあります)
子宮筋腫と卵巣腫瘍の合併例は子宮筋腫、卵巣腫瘍のいずれかに分類しています。また、チョコレート嚢胞は卵巣腫瘍ではありますが、子宮内膜症に分類しています。その他の項目には多嚢胞性卵巣、卵管閉塞などが含まれます。

図3:腹腔鏡下手術術式と症例数(重複有り)
  平成24年
(総数297)
平成25年
(総数318)
平成26年
(総数299)
平成27年
(総数319)
①卵巣(腫瘍)摘出手術 148 147 135 139
②癒着剥離術 108 115 108 96
③子宮内膜症手術 102 94 94 109
④腹腔鏡下(腟式)子宮全摘 59 65 57 84
⑤腹腔鏡下筋腫核出術 92 94 106 105
⑥異所性妊娠手術 22 17 12 15
⑦ダグラス窩癒着剥離 12 7 7 8
⑧その他 12 18 13 17

その他の項目には:卵巣多孔術、卵管開口術、卵管采形成術、卵管鏡下卵管形成術などを含んでいます

実際に行った手術術式を示しております。1人の患者さんでも、たとえば子宮筋腫と卵巣腫瘍の合併例では①と④、子宮内膜症などでチョコレート嚢胞、腹膜病変、癒着などを有していると①②③(⑦)のようには複数の手術が行われるので、全体の合計は患者さんの総数を大きく上回る形となります。

図4:子宮鏡下手術症例数と対象疾患の内訳(重複無し)
  平成24年
(総数110)
平成25年
(総数125)
平成26年
(総数99)
平成27年
(総数145)
子宮筋腫/子宮腺筋症 82 62 61 72
子宮内膜ポリープ 24 58 35 69
胎盤ポリープ 0 1 1 0
異所性妊娠(疑い) 0 2 0 1
子宮腟癒着症 1 0 0 0
その他 3 2 2 2

異所性妊娠は頚管妊娠、帝切瘢痕部妊娠などの手術です

図5:子宮鏡下手術術式と症例数(重複有り)
  平成24年
(総数110)
平成25年
(総数125)
平成26年
(総数99)
平成27年
(総数145)
筋腫/腺筋症摘出術 82 53 55 70
子宮ポリープ切除 36 62 43 75
妊卵除去 0 1 0 1
子宮腟癒着切除術 1 0 0 0
子宮内膜焼灼術(MEA) 3 9 17 5
その他 0 0 0 0
観察のみ 2 2 1 4

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