東北医科薬科大学病院

新大学病院棟構想図
2019年 新大学病院棟誕生

新大学病院棟は、ハイブリッド手術室、バイオクリーンルームを含め手術室9室のほか、リニアックなど高機能の機器を備えた放射線治療室や画像診断室等を有しており、これまで以上に高度で先進的な医療の提供が可能となります。
病床数はICU14床を含め148床で、既存病院と合わせた病床数は554床となり、名実ともに大学病院にふさわしい体制が整うことになります。

新大学病院棟Fukumuro New Hospital

新大学病院棟(延面積15,073.82m2)は、既存病院棟(屋内1階~2階部分)および医学部教育研究棟(屋内3階部分)と連絡通路で繋がれ、地上8階(8階は機械室)により構成されています。

1階は、放射線治療部のリニアック室などを配置し、待合は、自然採光と壁面の木リブのぬくもりのある空間となっています。
2階は、血管造影部、ICU病棟(14床)を配置しています。血管造影部の処置・待合コーナーは自然光の入る明るい空間を提供しています。ICU病棟の病室は1床あたり20m2を確保したオール個室とし、医療行為のしやすい広いスペースと、プライバシーの確保や感染管理に配慮しています。また、高い清浄度で管理され、全ての個室前には看護師が看護ワークのできるスペースを確保し、観察や看護しやすい設計となっています。

  • 放射線治療装置
  • 血管造影部
  • ICU

3階は、手術部諸室や中央材料滅菌部、病理検査部を配置しています。中央材料滅菌部から上部の手術部への器材搬送は清汚に分けた縦動線を確保しています。病理検査部と手術部は上下階に配置し、手術部から病理検査部へ検体を迅速に搬送できる設計となっています。
4階の手術部は、面積効率やスタッフの作業効率の観点から、手術ホール型を採用しコンパクトな平面設計となっています。一般手術室、ハイブリッド手術室、バイオクリーン手術室の計9室を配置しています。ハイブリッド手術室は約80m2を確保した広い手術室となっています。一般手術室は柔軟性の高い新工法を採用、面積も1室あたり47m2程度を確保し、ロボット手術をはじめ、教育・研修に活用できるスペースを確保しています。

5~7階は、1フロア1看護42~46床の病棟です。病棟中央部にスタッフステーションを配置し、高度急性期、超高齢社会を踏まえた、観察・看護のしやすい設計となっています。
スタッフステーション内にはガラス張りの薬剤ステーションを配置し、薬剤師や看護師による薬や点滴等の準備の管理を徹底できる設計となっています。また、薬学部の学生の臨床研修の場として活用されます。

  • スタッフステーション
  • ICU床室
  • 1床室
  • スタッフステーション
  • ICU
  • ICU

病室は1床室と2床室の構成です。2床室は、ベッドコントロールがしやすく、将来の医療制度の変化や、重症個室などの個室ニーズの増加に備え、簡単な改修で1床室に転用できる設計となっています。1床室は、ベッド廻りにゆとりあるスペースを確保しています。水廻りは洗面とトイレを基本タイプとし、特床室はユニットシャワートイレを設置し、病室入口から病室全体を見渡せる設計とし、看護のしやすさに配慮しています。
感染対策としては、手洗器の適正な配置や感染防護用具板の設置、清掃性に配慮した床仕上げの巾木立ち上げなど、感染防護できる設計となっています。

建物構造は免震構造とし、地震後の医療機能の継続を可能にします。
浸水については、仙台市ハザードマップや内水氾濫のシミュレーションをもとに、人命を守るために、新大学病院棟周辺の地盤面から高さ1.2mを止水する設計となっています。具体的には、新大学病院棟の外壁部にコンクリート擁壁を地盤面から1.2m立ち上げ、建物出入口および連絡通路部は、浸水が予測された時点で手動式止水版を設置し、建物内の浸水を防ぎます。
地震や停電時においては、一定程度の医療機能が継続できるように、電気、給水は1週間分を確保できる設計となっています。
これらの機能を有した新大学病院棟の稼働に伴い、今後ともより一層、院是『忠恕』(真心を尽くし、思いやりの心で務める)の精神に則り、心のこもった医療・最も新しい医療・納得できる医療の実践に努めてまいります。