高次脳機能障害とは

高次脳機能障害とは

人間は目(視覚)、耳(聴覚)、手など(体性感覚)から刺激を受け、脳に情報を送っています。脳はそれを知覚し、言葉に置き換えたり、学習したりします。さらに、記憶した知識や経験から、推理したり、判断したり、計画し実行したりします。こういった認知活動が高次脳機能です。

高次脳機能障害とは、脳が損傷されて起こる、このような認知活動、すなわち、知覚、注意、学習、言語、思考、判断などの障害です。

行政的な高次脳機能障害とは

高次脳機能障害の中には、脳の言語中枢が損傷されて起こる失語症のように比較的理解しやすいものもありますが、事故や病気のあとに、記憶や注意、遂行機能、社会的行動などの問題が生じ、普段の生活が一変したり、仕事や学業が続けられなくなったりすることがあります。こういった問題は、それがなぜなのか、外見上は分かりにくく、周囲の理解が得られないままに、福祉のはざまにおかれることが多かったのです。
平成13(2001)年度に開始された高次脳機能障害支援モデル事業では、こういった記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害を「高次脳機能障害」と行政的に定義し、リハビリテーションや生活、就労などの支援に当たってきました。

行政的な高次脳機能障害の診断基準

Ⅰ 主要症状等
1 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認されている。
2 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。
Ⅱ 検査所見
MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の存在が確認されているか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと確認できる。
Ⅲ 除外項目
1 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である症状を有するが上記主要症状(Ⅰ-2)を欠く者は除外する。
2 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
3 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者は除外する。
Ⅳ 診断
1 Ⅰ~Ⅲをすべてを満たした場合に高次脳機能障害と診断する。
2 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性症状を脱した後において行う。
3 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。

厚生労働省高次脳機能障害支援モデル事業 平成13(2001)年~平成17(2005)年

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